同時並行設計による短納期対応

同時並行設計とは

  • 同時並行設計は一つの基板を同時に二人の設計者で作業出来る環境下で設計する方法で、短納期に対応する際にはとても有効な設計手法の一つです。その設計フローを下記に示します。

同時並行設計による納期短縮イメージ

  • 説明:
    一つの基板設計データを複数のオペレーターが同時に作業を進めます。
    この時それぞれの端末はネットワーク環境で接続出来る環境でなければなりません。
    従来から、パートオープン(ライブラリー登録やネット作成など)にかかる作業は複数のオペレーターによる作業が可能でしたが、図のように部品配置やパターン配線作業は同時並行設計機能が開発された事により可能になったものです。
    弊社ではYDCのCADVANCEと図研のCR-5000BDでこれを実現しています。
  • この環境下では複数のオペレーターが、互いの作業をリアルタイムに確認しながら設計を進める事ができるので、分割設計のようにデータを何度もマージして確認する必要がなくなりました。
    また、仮にオペレーターが不慣れな場合でも、この方法では設計作業をリアルタイムにシュアしているので、設計品質のバラツキは起こりません。
    むしろ複数のスタッフが互いにチェックし合う環境下での設計になるので、完成度は高まり結果的に品質の向上につながります。

    但し弱点もあります。
    同時並行設計の作業中には、部品やネットに係る変更は禁止されている為に、その作業を行う場合は一度スタンドアローンに戻す必要があります。
    現状では、このように全ての機能が使える環境にはなっていません。

短納期対応の手法としては「分割設計」もその手法として有効な手段ですが、それぞれの特長を活かすようにその場面で使い分けを行います。

同時並行設計は、目安として約2000ピンクラス以上のボリウムがある場合にはこの手法の採用を検討、そして約10000ピン以上の場合には、分割設計も検討します。

同時並行設計機能は、あまりピン数が多いとそのパフォーマンスに影響がでるからです。

単納期に対応する為に2あるいは3交代の24時間体制で納期を短縮する方法しかなかったころもありましたが、現在ではこの同時並行設計を使う事で、より効果的にそれを実現する事が可能になりました。

例えば、設計者4人を昼と夜の2チームに分けて同時並行設計の24時間体制なら設計に要する時間が1/4になると言う事・・・というわけではございません。

このように本機能は短納期対応に対してはとても有効な基板設計手法なのですが、実は他にもメリットがあります。
例えば、設計エンジニアの教育に使う方法です。初心者に対して課題を与え教育する場合に、その設計作業を他の端末で確認しながら指導する事ができます。
また、複数の作業者が携わる大きな基板のパターン設計の場合には、チーム全体の進捗もリーダーがリアルタイムに確認しながら進める事が可能ですし、メリットはたんに単納期対応だけではなく、品質の維持・向上にも一役買ってくれているのです。

ーーーー 同時並行設計のメリットを簡単にまとめました ーーーー

・各工程における設計期間を大幅に短縮することができる
・設計者間の作業状況をシュアする事ができる
・分割設計のようにデータの分割・合成などの作業がいらない
・熟練者と初心者の協調作業による教育的効果を得られる
・複数人数で設計する事により品質の安定と向上が図られる

このように大変便利な機能です。

それにしてもCADも便利になりました。僕が設計していた頃には、カット&ペーストができる事だけでも「CADってなんて便利なんだ」と感激したものですが..おっと、歳がバレバレ...(笑)。

   
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